不動産まるわかり大全

税・その他・免除科目

いよいよ宅建の最後、税金とその他の科目です。税金と聞くとむずかしそうですが、コツは「いつかかるか」で整理すること。不動産は、買うとき・持っているとき・売るときの3つの場面で、それぞれちがう税金がかかります。この順番で見ていくと、ぐっと覚えやすくなります。

図1 不動産のライフサイクルと税金。買うとき・持っているとき・売るときで税がちがう

1. 取得時の税金 ── 買ったときにかかる

まず、家や土地を買ったとき(取得したとき)にかかる税金です。何種類かありますが、税率と特例の数字を押さえましょう。

図2 取得時の3つの税金。課税する人(国 or 地方)と税率に注意

不動産取得税は、買ったときに一度だけかかる都道府県の税金です。計算のもとになるのは買った値段ではなく、固定資産税評価額。新築住宅には大きな控除(差し引き)があります。

新築住宅の不動産取得税の控除。課税のもとから1,200万円を引ける

登録免許税は、登記をするときにかかる国の税金。住宅用家屋には軽減税率があります。

図3 登録免許税の本則と住宅用家屋の軽減税率

2. 保有時の税金 ── 持っている間ずっとかかる

家や土地を持っている間、毎年かかるのが固定資産税都市計画税1月1日時点の持ち主に対して、市町村が課税します。

図4 固定資産税と都市計画税。税率の意味(標準税率 or 制限税率)が違う

住んでいる土地(住宅用地)には、税金を軽くしてくれる特例があります。広さで軽減の割合が変わります。

図5 住宅用地の課税標準の特例。200㎡以下の小規模住宅用地が最も手厚い

3. 売却時の税金 ── 売って利益が出たとき

家や土地を売ってもうけ(利益)が出ると、譲渡所得税がかかります。ここで大事なのが、持っていた期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わること。長く持っていたほうが税金は安くなります。

39.6 % 短期(5年以下) 所得税30%+住民税9% 20.3 % 長期(5年超) 所得税15%+住民税5% 14.2 % 10年超マイホーム 6000万円まで軽減

復興特別所得税込みの合計税率。長く持つほど安くなる

図6 譲渡所得税の税率。短期(5年以下)は約39.63%、長期(5年超)は約20.315%と大きく違う

マイホーム(居住用財産)を売るときには、手厚い特例があります。代表が3,000万円特別控除。もうけから3,000万円を差し引いてくれるので、多くの場合は税金がゼロになります。

マイホームの3,000万円特別控除。もうけからこの額を引ける
図7 マイホームの特例の併用関係。3000万円控除と10年超軽減税率は併用できる

4. 住宅ローン控除

住宅ローンを組んで家を買うと、年末のローン残高の一部を税金から差し引いてくれるうれしい制度です。

住宅ローン控除の控除率。年末ローン残高の0.7%を税金から引ける

5. 不動産の鑑定評価と一物五価

不動産の正しい値段を求める方法には、3つの考え方があります。「いくらで造れるか」「いくらで売れているか」「いくら稼ぐか」の3つの目線です。

図8 鑑定評価の3手法。原則は1つでなく複数を併用する

1つの土地に値段の指標が5つもある、これを一物五価(いちぶつごか)といいます。だれが・いつ・どのくらいの水準で出すか、が問われます。

公示価格 国・1/1・100 基準地価 都道府県・7/1 相続税路線価 国税庁・約80% 固定資産税評価額 市町村・約70% 実勢価格 市場の時価 1つの土地
図9 一物五価。公示価格を100とすると、路線価は約80%、固定資産税評価額は約70%
図10 一物五価の比較表。公表主体・基準日・公示価格に対する水準

6. 免除科目 ── フラット35・景表法・統計・土地・建物

最後は、登録講習を修了した人が免除される問46〜50の5問の範囲。免除されない人にとっては確実な得点源です。常識+ちょっとの暗記で取れます。

住宅金融支援機構(フラット35)は、かんたんに言うと、機構が自分でお金を貸すのではなく、民間銀行のローンを後ろから支援するしくみです。

図11 フラット35(住宅金融支援機構)の特徴とひっかけ

景品表示法・不動産公正競争規約は、うその広告で人をだまさないためのルール。とくに有名なのが「徒歩1分=80m」です。

徒歩所要時間の換算。道路距離80mごとに1分(端数は切り上げ)
図12 景品表示法の主な表示ルール

統計は、こまかい数字より「増えたか減ったか・何年連続か」という方向を覚えれば1点取れます(試験年度の最新値は直前に必ず確認)。最後の土地・建物は、地盤や構造の知識。「高くて水はけのよい土地は◎、低くて水が集まる軟弱地盤は×」が基本イメージです。

図13 土地(地形)の宅地適性。台地は最も向き、後背湿地や三角州は不適

暗記の総まとめ(税・その他の数字)

図14 税・その他で必ず覚える数字の一覧

おつかれさまでした。これで宅建の主要4科目(権利関係・宅建業法・法令上の制限・税その他)を一通り図解で押さえました。あとは数字を対比で繰り返し確認し、過去問で定着させるだけ。合格まであと少しです。