不動産まるわかり大全

賃貸か購入か・予算の決め方

「家を買おうかな」と思ったとき、まず最初に出てくるなやみが2つあります。家を買うのか、それともずっと借りるのか。そして、いくらまでなら出してもいいのかですね。このページでは、その2つをやさしく一緒に考えていきましょう。

家を買うのと借りるの、どっちがおトク?

さきに答えを言いますね。どちらが絶対おトク、というものはありません。その人の暮らし方や、お仕事の安定ぐあい、引っ越しの多さによって、答えが変わるからです。だから「家賃はもったいない!」みたいな強い言葉に、まどわされないようにしましょう。

くらべるときに気をつけたいことが1つあります。それは、家賃の合計だけを見てはいけないということ。たとえば「お店でおかしを買う」のと「おかしを作る道具をそろえる」のをくらべるとき、おかし代だけ見てもフェアじゃないですよね。家も同じで、最初にかかるお金・毎月のお金・直すお金・年をとってからのお金、ぜんぶ足してくらべます。

図1 家を買う(持ち家)と借りる(賃貸)のくらべっこ。○=あてはまる、×=あてはまらない

50年など長い目で見ると、買ったほうが合計は安くなりやすいと言われます(借りるほうが1,000万円以上高くなる計算もあります)。でも借りるほうにも、いつでも身軽に引っ越せるという大きな良さがあります。だから「ぜったいこっち!」と言いきる人は、ちょっとうたがってみましょうね。

さいしょに用意するお金(頭金)

家を買うのに必要なお金は「家のねだん+諸費用(しょひよう)」です。諸費用というのは、家のねだんとはべつにかかる、いろいろな手つづきのお金のことですね。さらに、買ったあとのまんがいち用の貯金も残しておく必要があります。お年玉を全部つかってしまわないのと同じで、ぜんぶを頭金にするのはあぶないのです。

頭金を入れると、いいことがいくつもあります。借りる金がへって利息(りそく)もへる/毎月の返済が軽くなる/お金を貸してもらいやすくなる、などです。利息というのは「お金を借りたお礼にはらう追加のお金」のことですね。

「借りられる金」と「むりなく返せる金」はちがう

ここが、よさんを決めるときにいちばん大事なところです。よく聞いてくださいね。銀行は「あなたなら、このくらい貸せますよ」と、けっこう大きな金を貸してくれます。でもそれは「貸せる上限(じょうげん=いちばん上)」であって、「むりなく返せる金」ではないのです。

たとえば、お店の人が「このおもちゃ、おこづかい全部つかえば買えるよ」と言っても、全部つかったらおやつもジュースも買えなくなりますよね。それと同じです。全部つかえる金ではなく、毎月ちゃんとくらしていける金で考えるのが正かいです。

  • 銀行が貸せる上限は、年収(ねんしゅう=1年でかせぐお金)の約35%まで返済にあててもOK、という基準があります。
  • でも安心なのは、手取り(てどり)の20〜25%までにおさえること。手取りというのは、税金などを引かれてじっさいに手もとに残るお金のことですね。
175 万円/年 貸せる上限(年収の35%) ここまで借りられる 98 万円/年 安心な金(手取りの25%) むりなく返せる 78 万円/年 もっと安心(手取りの20%) よゆうがある
図2 年収500万円(手取り約390万円)の人の例。銀行が貸せる金と、むりなく返せる金には大きな差がある

年収の何ばいまでにする?

もうひとつのめやすが、年収の何ばいの家を買うかです。一般には年収の5〜7ばいくらいがめやすと言われます。年収の5ばいくらいにおさえると、毎月の返済がちょうどよくなりやすいですよ。

じっさいのデータも見てみましょう。家を買った人を調べたしらべ(フラット35という住宅ローンの2024年のデータ)では、家のタイプによって年収の何ばいかが、こんなふうにちがいました。新しいマンションがいちばん高く、中古の一戸建て(いっこだて)がいちばん低い順です。

7.5 ばい 土地つき注文住宅 約5,007万円 7 ばい 新築マンション 約5,592万円 6.7 ばい 建売(たてうり)住宅 約3,826万円 5.5 ばい 中古マンション 約3,033万円 5.3 ばい 中古一戸建て 約2,573万円
図3 家を買った人の「年収の何ばいの家を買ったか」(2024年・住宅金融支援機構しらべ)