退去・原状回復・敷金返還
部屋を出ていくときに、いちばんもめやすいのが「原状回復(げんじょうかいふく)=部屋を元のようにもどす費用を、だれが払うのか」という問題です。ここをきちんと分かっておくと、払わなくていいお金まで払わされるのをふせげますよ。あなたのお金を守る、いちばん大事な知識ですね。
大事なルールは、たったひとつ
おぼえることはひとつだけ。「ふつうに住んでいて、しぜんについた傷や汚れは、借りた人が直さなくてよい(大家さんが払う)」ということです。家賃の中に、もともとそのぶんが入っている、という考え方なのですね。ぎゃくに、自分の不注意でつけた傷や、わざとつけた傷は、借りた人が払うことになりますよ。
「払う」「払わない」を、れいで覚えましょう
言葉だけだと分かりにくいので、よくあるれいで「借りた人が払わなくていいもの」「払うもの」を見くらべてみましょう。
| 部屋の状態 | 借主が払う? | 理由 |
|---|---|---|
| 家具を置いた床のへこみあと | × | ふつうに使ってできるもの |
| テレビ・冷ぞうこの裏の黒ずみ | × | しぜんにできてしまうもの |
| 日やけで色がかわったかべ紙・たたみ | × | 時間でしぜんに古くなったもの |
| 画びょうのあなくらい | × | ふつうに使うはんい |
| タバコのヤニ・におい | ○ | ふつうの使い方をこえた汚れ |
| 引っこしでつけたひっかき傷 | ○ | 自分の不注意でつけた傷 |
| ペットがつけた柱の傷・におい | ○ | 自分の責任でできた傷 |
| そうじをサボって広がったカビ | ○ | 手入れをしなかったから |
古くなるほど、借りた人の払うぶんは小さくなります
もうひとつ大事なのが、住んだ年数(けいかねんすう)の考え方です。かべ紙(クロス)などは、時間がたつほど、ねうちが下がっていきます。だから、たとえ自分のせいでかべ紙を汚してしまっても、長く住んでいるほど、自分が払うぶんは小さくなるのですよ。
かべ紙のばあい、6年たつと、ねうちはほぼゼロになるあつかいが基本です。だから、6年いじょう住んでいれば、たとえかべ紙をぜんぶはりかえることになっても、自分が払うのは、はりかえの手間賃くらいですみますよ。
部屋を出ていくときの流れ(敷金がもどるまで)
退去が決まったら、次のじゅんばんで進みます。それぞれのステップで「自分がやること」もおさえておきましょうね。
- 1 やめると伝える STEP1
出ていく日の1ヶ月前までに伝える
- 2 引っこし・そうじ STEP2
荷物を出して、できるはんいでそうじ
- 3 いっしょに部屋を確認 STEP3
大家さんと部屋を見る。気になる所は写真に
- 4 かぎを返す STEP4
かぎをぜんぶ返す
- 5 敷金のせいさん STEP5
直し代を引いたのこりが返ってくる。1ヶ月くらい
「やめます」と伝えることを解約予告(かいやくよこく)といいます。これは、契約で決めた日(住む家ではふつう出ていく日の1ヶ月前)までに伝えます。伝えるのがおくれると、そのぶん家賃が多くかかることがあるので、気をつけましょうね。
部屋を出てから敷金がもどる目あす
契約でちがう。せいさんの紙の中みをかならず見ましょう
もめてしまったときの、相談する場所
もし、直し代の金がくにどうしてもなっとくできないときは、国のルールを見せながら話し合いましょう。「しぜんについた傷は、自分が払うものではないですよ」「住んだ年数を考えてくださいね」と伝えるのが基本です。それでもダメなときは、ほかの人に相談しましょう。
これで、賃貸の「借りてから返すまで」をぜんぶ一周しましたね。部屋さがし・はじめのお金・契約・退去——ぜんたいの流れと、お金を守るための知識が身につきました。安心して、自分にぴったりの部屋をさがしに行きましょう。