不動産まるわかり大全

買い方・リスク・税制

いよいよ最後のページです。ここでは、じっさいにREITを始めるときに大切な3つ──「どうやって買うの?」「どんなあぶないことがあるの?(リスク)」「税金はどうなるの?」を学びます。

とくに最後のNISA(ニーサ)の話は、手元に残るお金が大きく変わる、とっておきの内容です。さいごまで、いっしょに見ていきましょう。

J-REITの3つの買い方

J-REITに投資するには、まず証券会社(しょうけんがいしゃ)の口座を開きます。あとは株とほとんど同じ。「この値段で買いたい(指値)」「いくらでもいいから買う(成行)」といった注文ができ、買った代金のやりとりは数営業日後に行われます。投資のルートは、大きく3つあります。

図1 J-REITの3つの買い方。初心者はETFや投資信託から始めると分散しやすい。

知っておきたいリスク

J-REITは、元本(がんぽん=出したお金)も利回りも保証されていない金融商品です。「高利回りでうれしい」だけでなく、どんなときに損をしうるのかも知っておきましょう。主なリスクを、中心から放射状に並べてみます。

金利上昇 代表的な弱点。価格が下がりやすい 分配金の変動 空室・賃料低下で減ることも 災害 地震・火災で物件が被災 希薄化 増資で1口の取り分が薄まる 倒産・上場廃止 実際に2008年に初の破綻も 制度変更 税制・規制の見直し J-REITのリスク
図2 J-REITの主なリスク。とくに『金利上昇に弱い』のが代表的な弱点。

そのほかのリスクも、やさしく押さえておきましょう。

  • 分配金の変動リスク:分配金のおもな原資は家賃。テナントの退去や賃料の下落、稼働率の低下で分配金が減ることがあります。
  • 希薄化(きはくか)リスク:J-REITは成長のため公募増資(こうぼぞうし)で新しい投資口を発行し、物件を買い増します。投資口が増えると1口あたりの取り分が薄まる(希薄化)ことがあります。ただし良い物件を取得できれば、後の期に解消されるケースも多いです。
  • 倒産・上場廃止リスク:投資法人も倒産する可能性があり、実際に2008年にJ-REIT初の経営破綻が起きました。上場廃止になると市場で売れなくなり、価格が大きく下がることも。
  • 災害リスク:地震や火災など予想できない事態で物件が被災すると、価格や分配金がゆれます。

税金のはなし:通常は約20%かかる

REITでもうけたお金(分配金や、売ったときのもうけ)には、ふつう約20%(正しくは20.315%)の税金がかかります。100円もうけたら、約20円が税金で持っていかれる、というイメージです。

たとえば利回り5%の銘柄でも、税金が引かれると手取りの利回りは約4%に下がってしまいます。せっかくの高い利回りが、2わりほど目べりしてしまうのですね。ちょっと、もったいないです。

どのくらいお得になるのか、利回り5%のJ-REITを100万円ぶん買った場合で、課税口座とNISAの1年間の手取り(分配金)をくらべてみましょう。

39843 円 課税口座 約20%課税で目減り 50000 円 NISA(成長投資枠) 非課税。5%がそのまま
図3 バーが長いほど、手元に残るお金が多いという意味です。NISAは税金がゼロなので、5万円まるごと残りますね。

課税口座だと、5万円の分配金から約2割が引かれて手取りは約3万9,843円。でもNISAなら税金がかからないので5万円まるごと受け取れます。利回りでいえば、4%が5%にもどるイメージです。J-REITは分配金利回りが高い(近年4〜5%前後、5%超の銘柄も)ぶん、非課税のメリットがとくに大きい資産です。

おつかれさまでした。これでJ-REITの「正体・しくみ・種類と指標・買い方」がひととおりつながりましたね。少額から、プロにおまかせで、大きな不動産のオーナーの一員になれる──REITは、不動産投資の心強い入り口です。まずはETFで小さく始めて、少しずつ自分の目を育てていきましょう。