リスクと税金のしくみ
ここは、この投資カテゴリでいちばん大事なページです。不動産投資には、楽しいことだけでなく、気をつけないと大きく損をする「こわいこと(リスク)」がいくつもあります。「やめときなよ」と言われる理由の多くは、このこわいことを軽く見てしまった失敗なんですね。あわせて、もうけや税金にかかわる「むずかしそうなしくみ」も、表とうらの両方から、正直にお話しします。
こわいこと(リスク)— 正直に知っておこう
不動産投資には、すくなくとも8つの代表的なこわいことがあります。
- 空き部屋になる…住む人がいなければ家賃はゼロ。それでもローンの返済や税金は、どんどんかかり続けます。
- 家賃が下がる…建物が古くなったり、近くに新しいマンションができたりすると、もらえる家賃が下がっていきます。
- 金利が上がる…ローンの利息(りそく)が上がると、返すお金がふえて、お財布がくるしくなります。
- 修理代がかかる…エアコンがこわれたり、10〜15年に1度の大きな修理では何百万〜何千万円もかかったりします。
- 災害(さいがい)が起きる…地震・台風・水害など。いつ起きるか分からず、ぜんぶは防げません。
- すぐに売れない…不動産は、買ってくれる人を見つけて手続きが終わるまで、何か月もかかります。すぐにお金にできないのが弱点です。
- 家賃をはらってもらえない…住む人が家賃をはらってくれないこともあります。「はらってください」とお願いするのは、手間も時間もかかります。
- サブリースのトラブル…「家賃を保証しますよ」という約束が、とちゅうで一方的に減らされたり、やめられたりする問題です(あとでくわしくお話しします)。
この8つは、じつは2つのなかまに分けられます。住む場所のえらび方やお金の用意で「自分でけっこうふせげるもの」と、災害や急な金利のように「がんばってもぜんぶは防げないもの」です。下の図で見てみましょう。
建物が古くなるしくみ(減価償却)と税金
家賃のもうけを計算するときは、もらったお金からかかったお金(経費=けいひ)を引けます。引けるのは、管理(かんり)のお金・修理代・税金の一部・保険料・ローンの利息(りそく)の部分など。気をつけたいのは、ローンの元金(がんきん)の返済は引けないことと、自分が払う所得税・住民税も引けないことです。
減価償却(げんかしょうきゃく)ってなに?
新しいおもちゃも、何年もつかうと古くなって、ねうちが下がりますよね。建物もおなじです。この「すこしずつ古くなって、ねうちが減っていく分」を、何年かに分けて、毎年すこしずつ「かかったお金」にできるしくみが減価償却です。ただし、土地は古くなりません(だから減価償却できません)。減るのは建物の部分だけ、とおぼえてください。
| 建物の種類 | 古くなる計算の年数 |
|---|---|
| 木造(もくぞう) | 22年 |
| 木骨モルタル造 | 20年 |
| コンクリート造(RC・SRC) | 47年 |
たとえば建物の部分が5,000万円の木造の家なら、1年に230万円ずつを「かかったお金」にできます(5,000万円 × 0.046)。古い建物は、もう何年も使われていて残りの年数が短いので、短い年数でいっきにたくさん「かかったお金」にできます。だから、古い建物が「税金が安くなる」と言われるんですね。
こわい落とし穴:デッドクロス
減価償却は「お財布からお金は出ないのに、かかったお金にできる」ので、税金を安くして、手残りをたすけてくれます。ところが、この減価償却ができる年数が終わると、とつぜん税金がふえます。それなのに、ローンの元金の返済(お財布からは出るのに、かかったお金にできない)は、まだまだ続きます。この元金の返済が、減価償却より大きくなった点が「デッドクロス」です。「おこづかい帳の上ではプラスなのに、お財布の中身はマイナス」という、こわい交差点(こうさてん)ですね。
- 減価償却(古くなる分)
- ローンの元金返済
税金のしくみ — 損益通算(そんえきつうさん)
家賃のもうけから、かかったお金を引いた残りが「不動産のもうけ」になって、お給料(きゅうりょう)などといっしょに税金がかかります。1年に1回、自分で計算して国に知らせる「確定申告(かくていしんこく)」がひつようです。
損益通算=赤字を、お給料とぶつける
もし不動産のもうけが赤字(マイナス)になったら、その赤字をお給料などのもうけとぶつけて、へらせます。これを損益通算と言います。テストの点でたとえると、「不動産の点が −20点でも、お給料の +100点とたすと80点になる」イメージ。これで、はらいすぎた税金がもどってくることがあります。
売るときの税金 — 5年で大きく変わります
物件を売ってもうけが出ると、税金がかかります。この税金の率は、何年もっていたかで、大きく変わります。5年をさかいに、なんとほぼ半分に下がるのです。