不動産まるわかり大全

賃貸と購入はどう違う?

住む家を手に入れる方法は、大きく分けて2つだけです。家を借りる(賃貸=ちんたい)か、家を買う(購入=こうにゅう、持ち家)か、ですね。

じつは、どちらが「正解」というものはありません。でも、ふたつのいちばん大きなちがいを知らないまま選ぶと、あとで「思っていたのとちがった」となってしまいます。このページで、そのちがいをゆっくり見ていきましょう。

まずは結論から:買うと「家が残る」、借りると「身軽」

かんたんに言うと、こうです。

  • 賃貸(借りる)は、毎月家賃(やちん)を払います。家は自分のものにはなりません。そのかわり身軽(みがる=動きやすい)です。引っこしがかんたんで、はじめに用意するお金も少なくてすみますよ。
  • 購入(買う)は、ふつう住宅ローン(銀行からお金を借りて、少しずつ返すしくみ)を使って買います。家は自分の財産(ざいさん)になります。ローンを返しおわったあとは、家にかかるお金がぐっと減ります。ただし、はじめに大きなお金がいりますし、税金や直す費用は自分で出します。

レンタル自転車を思いうかべると分かりやすいですね。借りると毎回お金がかかるけれど、いつでもやめられます。買うと最初にお金がかかるけれど、そのあとはずっと自分のもの。家も、これとよく似ているのです。

図1 賃貸と購入の比較。○=その特徴があてはまる、×=あてはまらない

6つのものさしで見くらべてみましょう

賃貸と購入を、6つのものさしでくらべてみます。はじめのお金の安さ・毎月の払いの軽さ・財産が残るか・引っこしのしやすさ・直す費用の軽さ・年をとってからの安心、の6つですね。下の図は、外がわにふくらんでいるほど「その点がすぐれている」という見方をします。

  • 賃貸
  • 購入
図2 賃貸と購入の特徴。外側に広がるほどその項目で有利。得意分野が正反対なのがわかる

図を見ると、すぐに分かりますね。賃貸は「身軽さ・はじめのお金・直す気楽さ」が得意購入は「財産が残ること・年をとってからの安心」が得意です。ふたつは、得意なところがちょうど反対なのです。だから「どちらが得か」は、かんたんには決められないのですね。

家にかかるお金は、合計するとどうなる?

いちばん大きなちがいが出るのは、家にかけたお金の「合計(ごうけい)」がどう増えていくかです。下の図は、よこに年れい(30さい→50さい→70さい)、たてに「それまで家に払ったお金の合計」をとったものですよ。

  • 賃貸は、住んでいるあいだはずっと家賃を払います。だから線はずっと上に上がりつづけます
  • 購入は、ローンを返しおわると家賃のような大きな払いがなくなります。だから線は返しおわったあと、ほぼ平ら(たいら)になります。
年齢 累積住居費(万円)
  • 賃貸
  • 購入
図3 累積住居費のイメージ(月10万円の例)。賃貸はのび続け、購入は完済後にほぼ横ばいになる

たとえば、家賃10万円の部屋に、年をとってから20年すむとします。それだけで2,400万円にもなるのですよ(10万円 × 12ヶ月 × 20年)。家にかかるお金は、一生ついてまわる大きな出費なのですね。

家賃10万円で20年すむと、合計2,400万円にもなります

でも、どちらにも弱いところがあります

どちらか片方だけがすごく良い、ということはありません。それぞれの「弱いところ」も、ちゃんと知っておきましょうね。

賃貸 賃貸 購入 購入 家をどうする?
図4 賃貸・購入それぞれの主な弱点
  • 賃貸の弱いところ:どれだけ家賃を払っても、家は自分のものになりません。それに、年をとると「ちゃんと払えるかな」と大家さんに心配され、部屋を借りにくくなることがあります。
  • 購入の弱いところ:はじめに大きなお金がいります。それに、引っこしが必要になってもかんたんには手放せません。税金や、家を直す費用も自分で払います。

ここまでで、賃貸と購入の大きなちがいが分かりましたね。次は、賃貸でも購入でも必ず出てくるむずかしい言葉(専門用語)を、やさしい言いかえでまとめておぼえてしまいましょう。