賃貸と購入はどう違う?
住む家を手に入れる方法は、大きく分けて2つだけです。家を借りる(賃貸=ちんたい)か、家を買う(購入=こうにゅう、持ち家)か、ですね。
じつは、どちらが「正解」というものはありません。でも、ふたつのいちばん大きなちがいを知らないまま選ぶと、あとで「思っていたのとちがった」となってしまいます。このページで、そのちがいをゆっくり見ていきましょう。
まずは結論から:買うと「家が残る」、借りると「身軽」
かんたんに言うと、こうです。
- 賃貸(借りる)は、毎月家賃(やちん)を払います。家は自分のものにはなりません。そのかわり身軽(みがる=動きやすい)です。引っこしがかんたんで、はじめに用意するお金も少なくてすみますよ。
- 購入(買う)は、ふつう住宅ローン(銀行からお金を借りて、少しずつ返すしくみ)を使って買います。家は自分の財産(ざいさん)になります。ローンを返しおわったあとは、家にかかるお金がぐっと減ります。ただし、はじめに大きなお金がいりますし、税金や直す費用は自分で出します。
レンタル自転車を思いうかべると分かりやすいですね。借りると毎回お金がかかるけれど、いつでもやめられます。買うと最初にお金がかかるけれど、そのあとはずっと自分のもの。家も、これとよく似ているのです。
| 項目 | 賃貸(借りる) | 購入(買う) |
|---|---|---|
| 最初にかかるお金 | 家賃4.5〜5ヶ月分 | 頭金+諸費用で大きい |
| 毎月の支払い | 家賃 | ローン返済 |
| 自分の資産になる | × | ○ |
| 引っ越しのしやすさ | ○ | × |
| 設備故障の修理代 | 大家さん負担 | 自己負担 |
| 固定資産税・修繕費 | × | ○ |
| 完済後の住居費 | 払い続ける | 大きく下がる |
6つのものさしで見くらべてみましょう
賃貸と購入を、6つのものさしでくらべてみます。はじめのお金の安さ・毎月の払いの軽さ・財産が残るか・引っこしのしやすさ・直す費用の軽さ・年をとってからの安心、の6つですね。下の図は、外がわにふくらんでいるほど「その点がすぐれている」という見方をします。
- 賃貸
- 購入
図を見ると、すぐに分かりますね。賃貸は「身軽さ・はじめのお金・直す気楽さ」が得意。購入は「財産が残ること・年をとってからの安心」が得意です。ふたつは、得意なところがちょうど反対なのです。だから「どちらが得か」は、かんたんには決められないのですね。
家にかかるお金は、合計するとどうなる?
いちばん大きなちがいが出るのは、家にかけたお金の「合計(ごうけい)」がどう増えていくかです。下の図は、よこに年れい(30さい→50さい→70さい)、たてに「それまで家に払ったお金の合計」をとったものですよ。
- 賃貸は、住んでいるあいだはずっと家賃を払います。だから線はずっと上に上がりつづけます。
- 購入は、ローンを返しおわると家賃のような大きな払いがなくなります。だから線は返しおわったあと、ほぼ平ら(たいら)になります。
- 賃貸
- 購入
たとえば、家賃10万円の部屋に、年をとってから20年すむとします。それだけで2,400万円にもなるのですよ(10万円 × 12ヶ月 × 20年)。家にかかるお金は、一生ついてまわる大きな出費なのですね。
万円
家賃10万円 × 20年
年をとってからも賃貸の場合の目安
でも、どちらにも弱いところがあります
どちらか片方だけがすごく良い、ということはありません。それぞれの「弱いところ」も、ちゃんと知っておきましょうね。
- 賃貸の弱いところ:どれだけ家賃を払っても、家は自分のものになりません。それに、年をとると「ちゃんと払えるかな」と大家さんに心配され、部屋を借りにくくなることがあります。
- 購入の弱いところ:はじめに大きなお金がいります。それに、引っこしが必要になってもかんたんには手放せません。税金や、家を直す費用も自分で払います。
ここまでで、賃貸と購入の大きなちがいが分かりましたね。次は、賃貸でも購入でも必ず出てくるむずかしい言葉(専門用語)を、やさしい言いかえでまとめておぼえてしまいましょう。